生き方

私が50歳で転職を決意した理由とは?無謀とも言える決断の先には・・・!?

私が50歳で転職を決意した理由

私は、50歳の時に約28年間勤めた会社を自らの意志で退職しました。それから4年半が経過した今、全く後悔はしていません。会社を辞めた理由も、今なら自分を客観的に見つめて分析したことを伝えることもできます。しかし、「辞める」という意志を固めた時は、視界ゼロの真っ暗闇の中にいるようなものでした。では、そんな状況でもどうして転職するという意志を固めることができたのでしょうか?

その最大の理由は、「とにかく、1日も早く辞めたかったから!」「辞めないと新しい人生が始められなかったから」というのが当時の正直な心境なのです。辞表を用意してから、実際に提出するまでの数カ月間は、悩んで悩んで悩みぬきました。その時に最も不安に思ったことは、辞めたあとの働き方・生き方です。「自分の残りの人生を何のために使うのか?」というテーマと真っ向から向き合ったのです。しかし、正直いくら考えても辞めた後の自分の姿をイメージすることは全くできませんでした。長くサラリーマンを続けていると、こんなふうに自分の人生設計すらできなくなってしまうのかと情けなくなりました。そして、最後に辿り着いた結論は、「心の底から会社を辞めたいと思う自分の気持ちを素直に受け止めて、会社を辞める。辞めた後のことは、今は考えられない。辞めてからゆっくり考える。」というものでした。

当時の私は、どうしてそんなに会社を辞めたかったのか?について少し補足すると・・・。それは、その会社で働き続けることが「苦痛」でしかなかったからです。もう少し人間らしい生活がしたい!得るものより失うもののほうが大きいのではないか!自分に合った別の生き方があるならそれを模索してみたい!このまま惰性で今の職場に居続けることが無意味に思えてきて、それよりも冒険して失敗してでも波乱万丈の人生をすごすほうが悔いのない人生が送れるのではないか!という心の声が束になって、私の背中を押したのです。

会社を辞めて次に何をするのか?

しかし、定年を待たずして会社を辞めるということは、そう簡単なものではありませんでした。社会の常識は、「会社を辞めて、次は何をするのか?」ということが問われるからです。上司に打ち明けた時に、真っ先に問いかけられました。そして、「辞めるなら次の職場を決めてから辞めなさい。それが君や君の家族にとっても良いことだ。」と言われたのです。

私は、「会社を辞める」という決意が揺らぐのが嫌だったので、「次の職場を決めれば会社を辞めさせてもらえる」と確信し、直ぐに取引先の社長に直談判し転職先を決めたのです。正直に言って、その転職先に自分がやりたい仕事があったわけではありません。それでも、自分の人生という「スゴロク」を一歩進めるためには、必要なことだったと今では思っています。

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安易な「転職」を繰り返した失敗から学んだこと

その転職先ではほぼ一年間勤めましたが、やはりそこには私の居場所はありませんでした。それを確信し、次の会社へと転職しました。この二つ目の会社では、私を必要としてくれていることが感じられ、私もその期待に応えたいという思いからそれまでに学んできた知識や経験を活かして、その会社に貢献しようと努めました。しかし、いつからかオーナーとの考え方の違いから関係がぎくしゃくしはじめ、最終的にはお互いに不信感がつのり再び退職してしまったのです。

二回の転職を経て悟ったことは、「本気でやる気になれば、未経験のことでもある程度はやれる」ということと、「自分はサラリーマンには向いていないのではないか!?」ということでした。そうは言っても、一家の世帯主として所得を得なければ食べていけないという危機感もあったので、雇用保険を受給しながらハローワークへ通い、再び転職活動に専念しました。そして、数えきれないくらいの履歴書を郵送したくさんの面接も受けましたが、ことごとく不合格の通知を受け取りました。今から思うと、この時は私の人生の中で、まさに一番の「どん底」だったように思います。

私は、ふと、これまで辿ってきた道を振り返えりました。「自分がやりたいと思うことがやれない」「間違っていると思っても会社の指示に従わなければならない」というストレスが溜まって耐えきれなくなって会社を辞めたのに、また、別の会社でも同じことを繰り返えそうとしていることに気が付いたのです。そのうえ、次にやりたい仕事を探しても探しても見つからないどころか、いつの間にか手当たり次第に求人を漁っては申し込み不合格通知ばかり受け取るという悪循環に陥り、新たなストレスを溜め込んでいたのです。

人生はまわり道をした分だけ良いことがきっとある

こうして、「私はサラリーマンに向いていない」ということをようやく自分自身に納得させ、自分が次にやるべきことは、「脱サラして稼ぐことしかない」という考えに行き着いたのです。最初に転職を決意してからここに至るまでに、既に2年半が経過していました。この無駄とも思える2年半の月日は、その後のことを考えると決して無駄な時間ではなかったと思っています。何よりも、自分自身を見つめ直す時間となったからです。

こうして、私は自営業で身を立てることを目指すことにしたのです。Webサイトを開設・運営し、広告収入を得るというものです。2016年6月に税務署で個人事業主と青色申告の届けを出し、パソコンを購入して事業をスタートさせたのです。

それからは、来る日も来る日もパソコンとにらめっこし、一日中必死になってWebサイトの運営に注力しました。しかし、なかなか思うように収益が上がりません。その時、また私は自分で自分を追い込んでしまいそうになっていることに気づいたのです。稼ぐため・・・とは言え、面白くもないことに時間を費やすのではなく、楽しめること、興味を持てることに取り組もうと心を改めたのです。楽しく仕事をすれば続けられる、続けていればきっとそのうち成果が出てくると自分に言い聞かせたのです。そして、半年、1年、2年と時間が経過し、徐々に成果が表れてきました。今では、なんとか生活費を賄えるようになったのです。

サラリーマンを続けるということ

大学を卒業して就職する時は、「給料が高いから」「ネームバリューがある会社だから」「しんどそうだけど頑張った分だけ報われそうだ」「福利厚生が行き届いている」「やってみたい仕事・職種がそこにある」などの理由で会社を選んでいました。

でも、50代で再就職するときには、若い頃とは全く違う価値観がありました。「やりがいのある仕事か」「職場環境や人間関係は良好か」「経営者の考え方に共感できるか」「経営者や上司となる人物の人柄は?」「その仕事に誇りを感じられるか」といったことが、会社選びの視点になっていったのです。

人は、50代にもなると自分の生き方や考え方が固まってきて、これだけは譲れないというモノを持つようになるのかもしれません。若い頃なら、柔軟に対応して自分の考えを殺して会社に従うこともできたのかもしれませんが、年をとるにつれてそれができなくなってきたように思います。

「サラリーマンになる」「サラリーマンを続ける」ということは、その会社の方針や考え方に従うという大前提があり、まずはそのハードルを越えられるか?ということが会社を選ぶ際に重要になってきたのです。ある意味、年をとって頑固になったということかもしれません。「高望みしすぎではないか?」と言われれば、そうかもしれません。

結局、私はオーナー経営者や管理職から見て「使いづらい人材」と見られたのかもしれません。でも、それならそれでいい!無理に媚びへつらって雇われるぐらいなら、自営業者としてやっていこう!と決心することができたのです。

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ABOUT ME
いずみてつや
1963年生まれ。大阪府出身。千葉県在住。