社会の疑問

世田谷区のスケートボード事故について思うこと

世田谷区のスケートボード事故

東京都世田谷区の住宅街でスケートボードに腹ばいで乗っていた4歳の男の子がワゴン車にひかれて死亡するという事件があったことをテレビのニュースで知りました。たいへい痛ましい事故です。

たまたま私が見ていたテレビ番組では、ワゴン車の死角が広いことを解説していて、それが原因でこの事故が起きたという印象を受け、なんとなく違和感を覚えました。

私がこの事件で感じたことは、

  • 自動車が通行するような道路(公道)では子供を遊ばせない
  • スケートボードを子供に買い与える場合には、安全で正しい使い方をさせる

ということを親が子供にしっかり教える必要があるということを改めて痛感しました。

この事故に関してはネット上でも、『ひかれた子供も被害者だけど、運転者も被害者だ』という意見が少なからず寄せられています。実際、ワゴン車は信号のない交差点で一時停止をして歩行者に道を譲ってから再発進しています。その譲った歩行者は、ひかれた男の子のお祖母さんだったそうです。そして、ワゴン車が発進するのとちょうど同じぐらいのタイミングで、スケートボードに腹ばいになって乗った男の子が飛び出してきたのです。運転手からは完全に死角になっていたと推測されます。

この事故で運転手が罪に問われるのだとすれば、もう住宅街をクルマで走ることはできなくなります。

よく似た事故は過去にもあった!?

今回の事故とよく似たことが、実は2016年5月に埼玉県新座市でも起きています。

住宅街の路地で近くに住む5歳の男の子がスケートボードのような遊具に腹ばいになって兄と遊んでいました。その男の子は、軽乗用車がほぼ直角のカーブを曲がり切ったところではねられ首などに重傷を負いました。

こういう事故が繰り返されているのだとすれば、とても悲しいことです。

ちなみに、道路交通法では「交通量の多い公道ではスケートボードが禁止」とされているのですが、交通量が少なければ公道でスケートボードに乗ってもかまわないという現行法はあまりにも片手落ちだと思います。現在の社会情勢に合わせて改正すべきだと思います。

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最近は公道で遊ぶ子供が多い!?

私が住んでいる町でも、最近、公道で遊ぶ子供を見かけることが多いと感じます。子どもは、場所を選ぶことなく道路でも施設や店舗前の空間でも、ちょっとした空きスペースがあるとどこでも遊び場所にしてしまいます。

新型コロナウイルスの影響で学校が休校になり、時間を持て余している子どもたちが多いから仕方がない…ということにはならないと思います。勝手にそう慮って、見過ごしている大人や社会にも原因の一端があるのかもしれません。でも、根底にあるのは、子供を持つ親が子供に「教える」ということをしなくなった、そういう現代社会の風潮に問題があると思えてなりません。

時には、路上で親子がボール遊びをしていることもあります。常識のない大人が親となって子どもに正しい教育ができていないということも背景にあるのかも知れません。

私は、公道で遊んでいる子どもを見かけると、周囲の通行人に迷惑をかけていたりヒヤリッとするような危ない行為をしていて目に余る場合には、見ず知らずの子どもでも注意をするようにしています。その子の親が居ても…です。それは、同じ地域社会で暮らす大人としての義務だと思うからです。

今回のように最悪の結果を招くようなこともあることを考えると、「子どもを持つ親として、親が子どもに教えるべきことをきちんと教える」ということが如何に大切であり、最近の家庭ではそういう基本的なことが軽視されているのではないかと危惧しています。

親が子どもに玩具を買い与えるときに・・・

最近は、スケートボードやキックボードなどの乗り物系の玩具が流行っているのか、公道で遊ぶ子どもを見かけない日はありません。

親は子どもからせがまれると玩具を買い与えるだけで、正しい使い方を教えることはしないのでしょうか?その点が疑問でなりません。

共働きの家庭が増加し、子どもと接する時間を削って仕事をする親が増えています。そんな共働き家庭を支えるために、自治体はこぞって「子育て支援」と銘打ってさまざまな支援策を講じています。大人になって結婚して家庭を築いて子どもが生まれても、子どもの預け先に困ることはほとんどなくなりました。

子どもを持つ親にとっては、子どもを預けるにも服を着せるにも食べ物や玩具を与えるにも先立つものは「お金」だということで、しっかり働いて稼ぐことが優先されるようになり、子どもと過ごす時間はどんどん少なくなって、いつのまにか「子どもに不自由をさせないようにモノを与えること」が子育てだと勘違いしている親が増えているのではないかと思えてなりません。

共働きを否定するつもりはありません。子を持つ親としての意識の問題なのです。

親の義務、大人の義務、社会の義務

子どもを持つ親は、生きていくためのあらゆる基本的なこと、家族・学校・地域社会・友人関係のなかで生きていくための正しい行いを子どもに教える義務があると思います。

同様に、子どもの親でなくても、大人として地域社会の子どもたちに常識やマナーを教えるという当たり前のことが行われる社会であって欲しいと願ってやみません。

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ABOUT ME
いずみてつや
1963年生まれ。大阪府出身。千葉県在住。