リフレクション撮影の聖地!御射鹿池(みしゃかいけ)
リフレクション撮影は、湖や池などの水面やガラスなどの反射を利用してシンメトリーな世界を撮影する手法のことを言います。例えば、精進湖の逆さ富士がその一例ですね。特に水面を利用する場合には、風によってさざ波が立つとそこに映る映像がぼやけてしまうので、自然環境による影響を受けやすく、鮮明なシンメトリー映像を撮影するには魅力的な風景はもちろんですがその場所・季節・天候・時間帯などを選ぶことが重要になってきます。
そして、私がリフレクション撮影の聖地と呼んでいるのが、長野県茅野市にある「御射鹿池(みしゃかいけ)」です。この御射鹿池は農業用水を確保するために作られた人工池で、標高1,500mの山の中にあります。周囲はカラマツ林に覆われ、春から初夏にかけては新緑、秋は黄金色の紅葉が水面に映り込み素晴らしい風景を見せてくれます。この御射鹿池の水質は酸性度が高く魚が生息することができないことから、透明度が高いと言われています。
また、この御射鹿池は農林水産省の「ため池百選」に選ばれています。さらに、日本を代表する画家 東山魁夷氏の有名な作品『緑響く』のモチーフになったことでも知られています。池の水が鏡になって木々や白馬を反射させている幻想的な絵画です。その他、テレビCMにも使われています。
近くには駐車場があるので一年を通して撮影は可能ですが、一般的にベストシーズンと言われているのは春から初夏にかけての新緑の季節と秋の紅葉のシーズンです。
そこで、今回は2022年10月11日に御射鹿池の撮影に行ってきました。少し早めですが、紅葉狙いです。
御射鹿池までのアクセス
JR茅野駅から路線バス(アルピコ交通 奥蓼科渋の湯線)で約40分、「明治温泉入口」バス停で下車。
※この路線のバスは、土日祝日と8月の一定期間のみの運行となっています。運行本数は、1日に1〜3往復しかしていませんのでご留意下さい。
<留意事項>
- 駐車場あり(約30台)
- トイレあり(駐車場内)
- 売店や自動販売機は一切ありません。
- 柵の中に入って撮影することはできません。
今回の絶景旅の失敗談
今回の絶景を巡る旅では、いくつもの失敗を犯してしまいました。主な失敗をご紹介します。
[1]バスが運行していない!
事前にネットでバスの時刻表を確認していたのですが、欄外に「●印・・・⼟⽇祝⽇及び8⽉1⽇〜8⽉21⽇運⾏、□印・・・⼟⽇祝⽇及び8⽉11⽇〜8⽉16⽇運⾏」と記載されていることを見逃しており、バスが運行していると思いこんでいました。なかなかバスが来ないので、改めて時刻表をしっかりと見て、平日は運行していないことに気付いたのです。結局、茅野駅からタクシーで向かいました。予想外の出費となりました。
[2]温暖化で紅葉シーズンがずれ込み
秋の紅葉シーズンは10月中旬〜というネットの書き込みを見て、ちょっと早いかな!?とは思いつつも、期待半分で出かけたのですが、結果はほとんど紅葉していませんでした。タクシーの運転手さんの話によると、温暖化の影響で紅葉シーズンは年々遅くなっているとのことでした。
[3]リフレクション撮影は曇りが最適
リフレクション撮影に最適の天候は「曇り」。しかし、私が行った日は前日までの雨がウソのように快晴でした。さらに、午前11時頃は完全に逆光となり、リフレクション撮影には不向きな環境でした。
リフレクション撮影の結果報告
撮影日 2022年10月11日(火)午前10時〜午後2時頃まで
撮影は、御射鹿池の道路に面した一辺(約150mぐらい)を柵の外側から行います。この日は平日ということもあって人手は多くはありませんでした。時折、観光バスがやってきますが、停車時間は10分程度です。
午前中は逆光になること、快晴で太陽光が強めなので、満足のいくリフレクション映像が撮れずにいました。
午後1時〜2時ごろには多少逆光の度合いも緩み、太陽光が雲で弱まる場面もあったので、そういうタイミングでの撮影となりました。
[写真1]御射鹿池 正面中央-1
御射鹿池の正面中央部の写真です。逆光を避けるように南東を向いて撮影しています。ほんの少しですが紅葉が始まっていることがわかります。カラ松が中心なので紅葉のピークには鮮やかな黄金色に色づくはずですが…。まだまだっていう感じですね。
[写真2]御射鹿池 正面中央-2
先程の写真からズームで寄せてみました。紅葉が始まっている部分と遅れている部分の違いがよくわかります。水面に写り込んだリフレクションも綺麗です。
[写真3]御射鹿池 正面右(西)寄り
カラ松林の幹がリフレクションで綺麗に写り込んでいます。水鳥が泳いでいるシーンもありましたが、この写真には写っていませんね。
[写真4]御射鹿池 正面左(東)寄り
これは、逆光を避けるために御射鹿池の右端から南東に向けて撮影しています。手前は用水路へと続く水の出口です。
[写真5]御射鹿池 左岸(東岸)
御射鹿池の右端からほぼ東向きに撮影しています。したがって、逆光の影響はありません。全体的な色彩のバランスも良く、秋の気配も感じられる一枚です。今回のベストショットはコレに決定です。