体験談

退職理由をどう説明するか!再就職時の面接で犯したワタシの失敗体験!

履歴書・職務経歴書に退職理由をどう書くか?

私は、50代前半で再就職のための就活を始めた時、ある人材紹介会社の方に履歴書・職務経歴書の書き方について指導していただく機会をいただきました。

人材紹介会社の担当者の方は、いろんな会社から「こんな人材が欲しい」という要望をたくさん持っていて、その必要とされている人物像と私のような就活者とを見比べながら、どこの会社を紹介しようかというイメージを膨らませていたのだと思います。そして、人材紹介会社の担当者がまず会社に対して私のことをこの履歴書・職務経歴書を使って説明することになるので、担当者が説明しやすいようにアピールすべき点を漏らすこと無く、かなり細かい点まで指導していただきました。

その際に、私の経歴上の過去3回の転職に関して、退職理由もチェックされたのです。最初の2回の退職に関しては、実際に再就職もしているので「こういう仕事がしたかった」とか「この会社から切望されて」など、実際のいきさつも踏まえて納得のいく説明がつきました。しかし、3回目の退職に関しては、その後まだ再就職が叶わず、今こうして就活しているわけなので、簡単に上手い説明がつかないのです。結局、書面には「自己都合により」と書き、あとは面接で聞かれた時に口頭で説明するという対応をとることにしたのです。

再就職時に「前職での不満などを退職理由にしない」ということが、当時としては常識だったのです。もちろん、私もそのことはよく承知していましたので、あからさまに不満を言うのではなく、オブラートに包むように説明するつもりでした。

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面接で犯してしまった私の失敗体験

私は50代前半で再就職のための就活をしていました。ある人材紹介会社からオススメの人材募集があり、それに応募することにしたのです。将来、管理部門の中核となるような人材を募集していたのです。一次面接を通過し、二次面接では役員との面接に臨みました。実質的な最終面談だったと思います。そこでは、これまでの約30年間の経歴について細かな質問がありました。特に、深く追求されたのが前職の会社を辞めたいきさつだったのです。

前職の会社では、私は管理部門担当の取締役だったのですが、社長や専務との考え方の違いから退職する意思を固めたのです。でも、その程度の回答では納得せず、相手はねほりはほりと深堀りしてくるのです。私は、「本業の戦略に関して口出しをすることはありませんが、お金の使い方に関することで…」と説明。さらに具体的な内容を問われた私は「使途不明のお金が多額に及び…」「公私混同な使い方が目にあまり…」と会社の資金繰りに関することまで話してしまいました。今から思うと、軽率な発言だったと今でも後悔しています。

そもそも、再就職の際の常識として、前職の職場での不満や悪口は再就職時の履歴書や面接で言うべきではないと言われています。でも、履歴書には「自己都合により」「諸般の事情により」と表現していても、面接では必ず聞かれます。その時は、スキルアップや自己実現、個人的あるいは家庭の事情などを全面的に打ち出して説明するべなのです。しかし、口下手で嘘がつけない私は、オブラートに包んで話していたにもかかわらず、そのオブラートを次々と剥がされていったわけです。

そして、面接の結果は不合格でした。不合格の理由は不明です。

ただ、私が最終面接官の立場だったら…と考えると、「やっぱり」と思ってしまいました。中間管理職として組織の中で働いている以上、経営者と考え方が異なることは決して珍しいことではありません。自分の考え方を曲げてでも経営者に従うということができなかったこと、そのうえ、退社したとはいえ前職の経営者への不満や悪口を他人の前でペラペラと話したことから、ウチの会社も辞めたら他人に平気で悪口を言う人間だと思われたのかもしれません。

実は、この一件があった後も、いくつもの会社で面接を受けました。そして、私は自分の生きてきた過去を偽りの言葉で飾りたくはなかったので、聞かれればありのままのことを伝えるようにしてきました。そして、そのことが原因かどうかは定かではありませんが、ことごとく不合格となってしまったのです。

嘘の説明をして再就職する道はあったのか!?

今から思えば、前職の会社を辞めた理由について、嘘の説明をして再就職するという道はあったのかもしれません。再就職に関するアドバイスや指導書などを読めば、「退職理由については自分の前向きな姿勢をアピールするような説明が望ましく、決して全職場の不満や悪口を言うべきではない」ということが常識となっています。

でも、私に言わせれば、「多かれ少なかれ、会社を辞めるのは不満があるから」なのです。その不満が些細なことで我慢できるのであればまだしも、とうてい我慢できないほどの大きな不満を抱え、そのストレスに耐えきれなくなって辞めるのです。そこを再就職の面接でえぐり出されるのは、答える方としても心地よいものではありません。いや、思い出すのも嫌なのです。

こうして、私は面接を受けることで、前職の退職理由をねほりはほり聞かれることにうんざりしてしまい、就職活動も辞めてしまうことになりました。そして、自営業の道に突き進むことになったのです。

ひとつの退職という経歴が再就職の道を閉ざす!?

私は大学を卒業して就職した会社に28年間勤めたわけですが、その会社を辞める決意を固めて上司に相談した時に、「せめて次の仕事を決めてから辞めたほうがいい」と言われたのです。その当時は、とにかく会社を辞めなければ次の人生が始まらないという思いだったので、すぐに自分の得意先の社長と直談判して、採用していただくことを決め、28年勤めた会社を円満退社することができたのです。

でも、今から思えば、会社を辞める前に次の就職先が決まっているということが、どれほど幸せなことであるか、そして、それをアドバイスしてくれた当時の上司には改めて感謝の気持ちでいっぱいです。

この時も、私は28年間勤めた会社にある不満を抱いていました。また、その一方で自分を育ててくれたという点で感謝の気持ちもありました。しかし、会社に在籍中に次の就職先を決めたことによって、不満の気持ちは薄らいで感謝の気持が強くなったように思うのです。もし、辞めてから次の仕事を探していたら、結局、就活時の面接で前職の退職理由を問い詰められて、再就職が叶わなかったかもしれません。

こうして、私は改めて悟ったのです。会社を辞める時、その後のことを考えずに軽率に辞めることは、最悪の場合、再就職の道を閉ざすことにもなりかねない…と。社長とケンカして辞めようが、辞表を叩きつけて辞めようがかまいませんが、その後にどんな再就職の道を模索するのかイメージをきちんと固めて、自分の人生の中で次のステップへ進むひとつの過程であることをきちんと説明できるようにすべきだと思います。そして、可能ならば次のステップをより具体的なものにしてから辞めるにこしたことはないのです。

最後にひと言付け加えるとすれば、面接で経歴の退職理由を気にする会社ってどうなのかな!?と思います。「なぜ辞めたか」よりも「この会社で何がしたいか」「これから何をしたいか」が大事だと思うのです。だから、私はありのままをさらけ出してきたことに、全く後悔はしていません。


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ABOUT ME
いずみてつや
1963年生まれ。大阪府出身。千葉県在住。